2011年1月18日火曜日

混乱した青春ー3

我が町には中学校と工業学校があった。其の工業学校には専門の工業ばかりではなく商科、農科があった。小学校の友達がその商科に入った。秋のある日其の学校に展覧会があった。友達が誘ってくれたので、一緒に見に行った。広い体育館に色々な工作品や機械類が所狭しと並んでいた。一番興味を持ったのがあった。それは天井に張り付いたように何かで留めてあったのだろう、飛行機の分解した姿であった。羽根二枚は重ね銅体は横に結び付けている様に見えた。飛んだかどうかはきかなかったが、其の学校の生徒が作り組み立てした立派な飛行機だそうだ。此の学校で飛行機を作る高度な技術があり、其れを生徒が学び実際に実行に移した事に驚くばかりか感激であった。
それから幾日も経たぬある日だった。我が中学の生徒が此の工業学校の生徒と小さな事で摩擦が起きた。其のあくる日両方の生徒達が仕返しの為集まった、片方は受身かどうかは知らない。
10キロぐらい離れた隣町外れに川幅百メートルちかくの川がある。その川原に両方の生徒20人余が100メートル間隔で対峙した。竹やり、棒切れ日本刀まで持ち出した奴もあったそうだ。何時分か睨み合っていたが今にも突撃しそうになった。その時噂を聞きつけ村の消防団員十数人が中に走りこみ仲裁の形をとって幕が降りたそうだ。
それに加わった生徒は皆謹慎を命じられた。僕が住んでいる集落の先輩が其の中に居た、その人も日頃血気盛んな人だった。喧嘩も強かった時々僕も殴られた。今度の事件で学校内では英雄になった。その英雄は元の学校にいては、先生からは別視され先々に支障がきたすと転校して行った。
いつも学校に行くのに誘って呉れていたのが居なくなって寂しくなった。

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