それから幾日も経たぬある日だった。我が中学の生徒が此の工業学校の生徒と小さな事で摩擦が起きた。其のあくる日両方の生徒達が仕返しの為集まった、片方は受身かどうかは知らない。
10キロぐらい離れた隣町外れに川幅百メートルちかくの川がある。その川原に両方の生徒20人余が100メートル間隔で対峙した。竹やり、棒切れ日本刀まで持ち出した奴もあったそうだ。何時分か睨み合っていたが今にも突撃しそうになった。その時噂を聞きつけ村の消防団員十数人が中に走りこみ仲裁の形をとって幕が降りたそうだ。
それに加わった生徒は皆謹慎を命じられた。僕が住んでいる集落の先輩が其の中に居た、その人も日頃血気盛んな人だった。喧嘩も強かった時々僕も殴られた。今度の事件で学校内では英雄になった。その英雄は元の学校にいては、先生からは別視され先々に支障がきたすと転校して行った。
いつも学校に行くのに誘って呉れていたのが居なくなって寂しくなった。
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