少年時代と言えば恥ずかしい事ばかりで、話すに耐えない事件の数々で有った。家の事私自身の事
特に私の家庭は特別であったかも知れない。父は当時町であったので町会議員を勤めていた。私達が住んでいた70,80家族ぐらいの小さな集落では父は有力者と呼ばわれていた。母は県立高等女学校の教諭をしていた、当時女学校の先生と言えばは特別に尊敬されていたのである。しかし其の家庭内はいつも陰鬱な悲惨な雰囲気が漂っていた、その原因は父の行状にあった。町の繁華街の裏手に妾宅を構えていた。尊敬されている筈の母は、妾の事になると目にあまる嫉妬を飛ばし激しかった。それは直接妾にではなく子供の私に向かうものであった。私の幼い心にさえもうよせばいいのにと思っていたのである。私自身も父の血脈を受けているのか子供の頃から女好きであった。母はそれを憎んでいたのか、私に向かって鬱憤を晴らしていたのかも知れない。
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