現場に入ったもののどうやって仕事をするのかさっぱり解らない。元々入山する時ブラジル人のガリンペイロ仲間を5人ほど連れていた、彼らと相談し先ず食べる事、寝ることを解決しなければならない。リーダー格のジョンが5人の労働者を受け入れてくれるパトロンを見つけて来た。条件は食事、住所は無料だが一定の決まった給料はなし、砂金を取り上げた時にその半分をパトロンが取り、後の半分を労働者が分けると言う事であった。こういう言う働き方をメイアプラッサと言う。金が出なければただ働きの働き損である。一つのメイアプラッサのグループに10人が居る、その内訳は一人がツルハシ係り、スコップ係り7人が運搬係で最後の一人が炊事係である。炊事係は一番楽な仕事だが誰もやりたがらない、一番弱い奴で又半分女である俗に言うお釜なのだ。リーダーのジョンはお前は年だし体力も無いから炊事係をやれと言う。ちょっと戸惑ったが自分の体力の事を思うといたしかたなかった。何もお釜はきっぱりと断ればいいと覚悟を決めた。所が仕事を始める矢先、体全身が猛烈に震えだした。マラリアである、幸い保険所があるそこまで地面を這って行った。折角の仕事を失いこれから先の不安とマラリアで一週間以上を苦しみ貫いた。
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