2011年1月14日金曜日

悲惨な家庭ー18

5年生になった頃から兄の暴力が少なくなった。学校に行くのも家にいることも楽しかった。兄は中学4年生で来年の上級学校の受験勉強をしている様だった。僕はなるだけ勉強室に行かず兄の邪魔を控えていた。裏の友達の家に行くのが楽しくて毎日の様に行っていた。姉さんと何時も一緒に居たわけではない。ただ顔を見て微笑みを交わすだけで楽しかった。偶に家族が留守にした時は大変可愛がって呉れた。然し後で解った事だが僕の体はまだ未熟であった様だ。本当の快楽、快感ではなかったのである。然し其の当時は女がしてくれる事が心地よい最高の気分だと思っていた。学校から帰ると早速裏の友達の家にすっ飛んで行く。友達はすぐに出てきて一緒に遊びだした。所が今日は家の様子が何だかざわざわして、大勢の人がウロウロしていた。何事かと友達に尋ねると、姉さんの婿さんが帰ってくると言った。皆でお祝いをするそうだ、その用意をしているのだろう。姉さんは僕を見たので、ビー玉で遊んでいる所にやって来た。私のお婿さんが満州に行っていたけど、除隊になって帰ってくるのよ明後日乗ってくる船が佐世保に着く迎えに行くのよと嬉しそうに言った。向うの家に行ったら中々此方へは来れないが、お祭りとか色んな休みの日には必ず帰って来るからね、と言ってにっこりして頭を撫でて呉れた。僕は何だか寂しくなって、顔を彼女の胸に埋めた。近くに居た人達は微笑ましい事だと思って居るのだろう、皆優しく笑っていた。夏休みが始まった、今年はすっかり仲良しになった裏の友達と遊ぶ事にした。友達のすぐ上の姉さんは僕より三つぐらい年上だった。此の姉さんも大変奇麗な人で母が勤めている女学校ではなく柳川に近い女学校に通っていた。僕に対しては親しい態度はしても親密な関係には成らなかった。友達と遊ぶときに仲間になって遊んでくれる事は何時もで有った。此の友達関係が幼い本当の姿だと思った、素直な気持ちが湧いて此の友達が本当の親友なのだと思い知らされた。家には新しい女中さんが働に来ていた。此の人は家事見習いの人みたいでだった。

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